今まで知らなかった遊郭という職業の一面を知った事

先生から聞いた、遊郭に入った友人の話―――――

遊郭

 洋裁関係の仕事を長く続けていた私は、パターンの教室にも新しく通い始めました。
教えてくれる先生は年配なのですが、個人指導なのでとてもわかりやすいのです。度々リラックスする為に変わった話題をしてくれるのですが、その時は遊郭に入った昔のお友達の話をしてくれたのです。

 私がイメージしていた遊郭というのは、まるで”あゝ野麦峠”(山本茂実が1968年に発表したノンフィクション文学)のように労働者として家から出され、悪い病気になってしまうという幸薄い職業のように感じていたのですが、どうも先生からはそれだけではないニュアンスがあるように思えました。

***

 「遊郭」などは最近あまりなじみのない職種(性風俗は存在する)ですが、先生の時代には当たり前のようにあったそうです。
 先生は金沢の生まれだそうですが、小さい頃から遊郭に入る人は決まっていたそうです。先生のお友達も遊郭に入る事が決まっていたそうなのですが、遊郭に入る時は籠のような物に乗せられて行ったと聞きました。

 さらに遊郭というと、今の風俗的なイメージもあると思うのですが、誰もがそうという訳ではなく、先生のお友達はもともと才覚を見込まれた事もあり、かなりの大出世をしたらしいです。多分今で言うパトロンのような人がついていて、その人と結婚したのではないかという話でした。

 遊郭の話は全く聞いた事もありませんでしたし、新鮮な話題ではあったのですが、今までのイメージが取り払われ、以外と遊郭の職種にかなりプライドを持った人も多かったのではないかとこの時にとても感じたのです。